古代コンクリート(ローマンコンクリート)のDIYサンプルキット
このキットは、主に古代コンクリートによる「土間たたき」を施工するためのサンプル作りをご提供するものです。
キットには、火山灰、生石灰、真砂土、にがり塩などの主要な素材が揃っており、これらをうまく混ぜ合わせることで、古代の技術に基づくコンクリートによる「たたき」のサンプルをあなた自身の手で制作できます。具体的な手順書や歴史的背景を学ぶためのガイドも同封されているため、初心者でも安心して取り組めます。
**制作手順はYouTubeでもご覧いただけます!**
https://youtu.be/tjpzbn5TEac
**多様な用途に対応!**
このサンプルキットは、「土間たたき」をはじめ・軒下や通路・屋外・通路の「たたき」の他、通常のセメントの代替としてのサンプルとしてもご利用いただけます。混合比を調整することで、用途にお応じたサンプルを作ることができます。
その内容はこのキットのパンフレット「用途に応じた配合比」の項に記してあります。各用途に応じて構成素材の配合比を変えてお試しください。
**古代コンクリートの独自性**
古代コンクリートの特筆すべき点は、火山灰や石灰が持つ化学成分の特性です。最近の研究により、その強度の秘密が、火山灰と生石灰との化学反応にあることが明らかになっています。これにより、現代コンクリートとは異なり、湿度や水分を吸収・放出する能力が高く、特に湿気の多い箇所に適しています。また、施工後も長期間にわたって強度が向上する特徴を持っており、歴史的にも長寿命に耐える建材として評価されてきました。この知識は、現代の建設業界に大きな影響を与える可能性があります。
※古代コンクリートは別名ローマンコンクリートとも呼びますが、これはヨーロッパにおける名称で、かつては世界の各地域で使われていました。そのことからフォルムデザインでは広義の意味合いを踏まえ、古代コンクリートと呼ばせて頂いております。
**現代のコンクリートと古代コンクリートとの違い**
今日のコンクリートは200年前に発明されたポルトランドセメントに砂・砕石を混ぜて出来ています。水と反応するとすぐに固まるので工期が短かくて済む半面、寿命が短く、消費サイクルが早いので関連する業界は潤いやすいのが特徴です。
それに対して古代コンクリートは混ぜた後、ゆっくり化学反応が進み、長期にわたって強度が増していく特徴があります。また、一度施工するとほぼ永久的に地上に残り石化していくので現代文明の消費産業としては成り立ちませんでした。しかも産業革命以降は今日のコンクリートの台頭によってその製法はすっかり失われてしまったのです。
**開発の経緯**
しかし2017年以降、世界中で古代コンクリート(ローマンコンクリート)が注目され始め、2022年にはその主要な素材が徐々に解明されてきました。
フォルムデザインでも長年の研究と実験を重ね、ほぼ同時期に配合素材や配合比を解明することができました。
**古 代 コ ン ク リ ー ト による「土間たたき」の 特 徴**
「古代コンクリートによるたたき」は、「伝統的なたたき」やポルトランドセメント(以下通常のコンクリートと言います)を使った「コンクリートたたき」とは素材も異なれば、その性質や特徴も異なります。
「土間たたき」の範囲でその特徴を挙げると、湿度や水分を吸収し放出する能力は「伝統的なたたき」よりも高く、もちろん通常のコンクリートによるものよりもはるかに高いので湿気のある土間はもちろん、勝手口、デッキの下や床下などの湿気抜きを施したい箇所には最適です。
それは主成分である火山灰の粒子が多孔質構造になっていて、その性質に由るものです。特筆すべき点は電磁波を吸収する能力が高く、その点は珪藻土の性質に似ていると言えます。
さらにゼオライト同様に放射線を吸収する能力も高いです。またこれは「土間たたき」とは関係ありませんが、海水に漬かれば漬かるほどに長寿命になっていく、不思議な性質を持っています。
強度の面で、「伝統的なたたき」は通常のコンクリートを使った「たたき」の1/15 の圧縮強度ですが、古代コンクリートをコンクリート仕様にすると通常のコンクリートとほぼ同じ強度となるので、施工の際は「伝統的なたたき」よりも厚みを抑えることができます。
また「伝統的なたたき」は軒先などの雨に濡れる箇所では劣化することがあり屋外では使いにくいのですが、「古代コンクリートによるたたき」は屋外でも使用することができます。
【ご注意】
この商品は専門的な知識を必要としないサンプルキットですが、使用にあたっては安全に留意し、手順書に沿って作業を行ってください。
なお、古代コンクリートによる「土間たたき入門編」1㎡セットは、'25年1月下旬に販売を予定していましたが、他の業務に追われて延期しております。
それまでは、同封の【古代コンクリートの材料入手先リスト】を参照の上材料の入手をお願いいたします。
また、施工方法に関しては、当方のブログ「第三の建築様式を求めて」https://3rd-architecture.blogspot.com/search/label/古代コンクリートたたき
を参考にしてください。
【参照サイト・動画】
◆2017年に古代コンクリート(ローマンコンクリート)の重要性を語る情報が公開されました。フォルムデザインでもそれに注目し、それ以来実験と検証を重ねてきました。
当時は情報も限られておりましたが、近年では続々と関連動画が出回っていてしかも完成度の高い情報となってます。
こちら動画では、そのコンクリートの特性である自己修復機能について話されています。膨張と修復で生じた亀裂をコンクリート自身が自ら塞ぐところなど驚きのメカニズムを語ってます。
【Why Roman Concrete Lasts for 1000 Years】
https://youtu.be/nXS1g5HTYJw?si=COdXVlqLEK0wgVdf
◆【古代ローマ時代のコンクリートは、今も強度を増していた──その驚くべき理由が解明される】
https://3rd-architecture.blogspot.com/2023/07/blog-post_1.html
◆【2000年も持つローマンコンクリートの堅牢さの秘密】
https://lab-brains.as-1.co.jp/enjoy-learn/2023/01/43522/
◆【石灰、生石灰、消石灰、苦土石灰、有機石灰の違い】
https://www.harusa-life.com/knowledge/tuchi/post-25.html